このページでは西洋梨の接ぎ木を取り上げています。
「レモンの実生」ページでも記載していますが、一般的に果物の種子を蒔いても、食べた果実と同じものが実るとは限らない。どちらかと言えば全く違うものが実ることが多い。それは果樹苗生産は接ぎ木で行われることが多いからです。
接ぎ木で生産される果樹苗:ぶどう、柿、キウイフルーツ、栗、リンゴ、すもも、桃、プルーン、ビワ、なし類、梅、杏、さくらんぼ、柑橘類。挿し木で生産される果樹苗:ベリー類(小果実類)。
そこでどうすれば良いのかと言えば、その品種を接ぐことです。下記に紹介する。
※接ぎ木をする理由は専門書物をご参照下さい。
- 解説:以下必要なもの、準備等。
- (1)は必要な用具で上から切り出し(ナイフ)、剪定ばさみ、接ぎ木テープ。
- (4)は接ぐ方の木(西洋なしの枝)で穂木と呼ぶ。これは冬の休眠期に採取し長さ15~20センチに切って、乾燥防止の目的で湿らせた新聞紙に包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管してあったもの。(2)(3)この穂木は3月上旬に採取したもの。当地方は寒冷地なので、これでも間に合う。暖地ではこれでは遅いと思われます。
- (5)は一節ずつカットし、(6)は切り出しで穂の下部を楔形に切り整えたもの。
- (7)は台木でこの木の正体は「マルメロ」です。これは西洋なしの種から地植えで3~4年育ったものです。マルメロとはバラ科の秋に黄色で独特の良い香りを発する、生食には向かない果樹のことです。最近では西洋なしの台木に広く用いられているので、実生でマルメロが出てきたものです。台木の太さは鉛筆より少し太い位です。
- 時期:一般的には冬季の終わり頃。台木が樹液を吸い上げる直前と言われている。しかし台木が水を吸い上げ始めても(成長が始まっても)行える。
- 接ぎ方(切り接ぎの方法)
- (8)台木の適当な位置で水平に切断する。(9)接ぎに切断面上部から、木質部に少し掛かる位置に、穂木が入る位の深さ(1.5~2センチ)に切り込みを入れる。
- (11)位置が決まったら接ぎ木テープでしっかり結わえる。この時穂木がずれない様に注意する。また、雨が染みこまない様に幾重にも巻く。また、穂木が乾燥しない様に穂木の上もテープを巻いている。(12)終了。
- ポイント
- 水を吸い上げ始めた台木(休眠から覚めた台木)に、休眠中の穂木を接ぐと成功の確率が高い。穂木の採取時期、接ぎ木の時期が重要になる。
- 穂木と台木の接する箇所を平らに調整する。これには良く切れる刃物を用いることが重要になる。
- 台木の形成層と穂木の形成層が一致すること。
- 接ぎ木後テープでしっかり固定すること。また、水が染みこまない様にすること。
- 接ぎ木後穂木に触れてずれない様に注意すること。
※台木は食べた果物の種を播けば手に入れることが出来る。穂木は冬季(休眠期)に知り合いの方や、農家に頼んで入手し、上記の通り保存する。